ハエ叩きを再定義する:セージグリーンのヤシの葉が、デスクに映えるインテリアになるまで
日常の道具に過ぎなかったハエ叩きが、なぜアトリエの壁に飾る価値のあるプロダクトへと生まれ変わったのか。
洗練された空間に潜む、不都合な日用品
光が差し込むクリエイティブなアトリエを思い浮かべてみてください。オーク材のデスク、リネンのカーテン、陶器のペン立て、青々と茂る観葉植物。細部までこだわり抜いた空間です。しかし、窓から一匹の虫が紛れ込んだ瞬間、引き出しから取り出すのは派手なネオンブルーのプラスチック製ハエ叩き。窓枠を叩いた拍子に割れてしまい、部屋の落ち着いた空気感は一瞬で台無しになります。
私たちはこの状況を変えたいと考えました。実用的な道具が、必ずしも無骨で美しくない必要はありません。植物に囲まれたミニマルなデスク環境に、自然と馴染むハエ叩きがあってもいいはずです。そんな問いかけから、日用品の常識を見直す**プロダクトデザイン**のプロジェクトが始まりました。
スケッチからプロダクトの完成まで
コンセプトはシンプルでした。シュロの葉が持つ有機的なシルエットと、耐久性に優れた現代の素材を組み合わせること。しかし、叩いたときに破れず適度なしなりを持たせるには細かな調整が必要でした。 we started prototyping right in the studio. 初期段階の検証には**3Dプリンター**を活用。一般的な**FDM印刷**で手試作を繰り返し、木製ハンドルの重量バランスや振り抜いた際のエアーフローを念入りにチェックしました。
持ち手のフィット感が固まった後、葉の部分の精巧な質感を追求しました。シリコンヘッドの細かな葉脈と滑らかな表面を正確に表現するため、高精細な**レジン印刷**を実施。この緻密なプリントをマスターモデルとして、量産用の金型を製作しています。
こうして完成したのが、しなやかなセージグリーンのシリコンヘッドと、なめらかに削り出したブナ材のハンドルを組み合わせた一品です。落ち着いたグリーンは植物のある空間に自然と溶け込みます。シリコン製ヘッドは十分な機能性を持ちながらも、デスクの塗装を傷つけたり、白壁に嫌な擦れ跡を残したりしません。床に落とした際も、プラスチック特有の甲高い音ではなく、静かな音しか響きません。
空間を彩るディテールとして
このアイテムを雑多な引き出しの中に隠しておく必要はありません。クリエイターたちがアトリエで実践しているディスプレイ方法をご紹介します。
- 有孔ボード(ペグボード)に掛ける:付属のレザーコードを使い、真鍮のハサミや定規と並べて壁面にセット。
- 陶器のベースに挿す:口の広い陶器製のジャグに立てかけ、絵筆のようにデスク脇へ配置。
- 壁フックに飾る:作業台の上のフックに直接引っ掛け、控えめな彫刻オブジェクトとして見せる。
実用的でありながら、どこか愛らしく、手に取ると気持ちが和らぐ質感。日用品であっても、選び方ひとつで整えられた空間の要素になり得ることを教えてくれます。
FAQ
セージグリーンのシリコンヘッドはお手入れできますか?
お手入れは非常に簡単です。ぬるま湯と少量の食器用洗剤でシリコン部分をサッと洗い流すだけで完了します。シリコンは非孔質素材のため、汚れやニオイが染み込む心配もありません。
温室やテラスなど、湿気の多い場所で保管しても大丈夫ですか?
削り出しのブナ材ハンドルには、軽度の水分を弾く保護コーティングを施しています。観葉植物が多い室内や屋根付きのテラスであれば問題なくご使用いただけますが、雨がかかる屋外に放置することは避けてください。
プロトタイプ製作はどのように進められましたか?
アジャイルなデザインプロセスを採用しました。FDMプリンターでハンドルの形状とスイング時の扱いやすさを検証し、高解像度のレジン印刷で細かな葉のテクスチャを仕上げた上で、最終的なシリコン成形金型を作成しています。
壁に掛けるためのパーツは付属していますか?
はい。すべての製品の木製ハンドル端部には、本革のハンギングループが通されています。真鍮フックやウォールピン、標準的な有孔ボードフックにスマートに掛けられます。