冬瓜モチーフのバックパック:ミニマルなデスク環境に遊び心を添えるプロダクトデザイン
単調になりがちなスタジオの日常に、自然着想の遊び心を。デイリーギアをスマートに整理しながら、ワークスペースを軽やかに彩るバックパックのストーリー。
八百屋の店頭からCADモデルへ
現代のデザインスタジオを見渡すと、どこも同じような光景が広がっています。グレーのフェルト製デスクマット、マットブラックのノートPC、そして無地のキャンバストート。機能的ではあるものの、少し無機質に感じられることもあります。このバックパックのアイデアは、休日に近所のスーパーを散歩していたときに生まれました。野菜のコンテナの間に並んでいたのは、独特の白い粉を纏い、うっすらと縦筋の入った冬瓜(トウガン)。その有機的で美しいフォルムを目にした瞬間、「毎日持ち歩くバッグにも、こんな自然の味わいがあっていいのではないか」と考えたのです。
野菜のシルエットを機能的なバッグへと落とし込むプロセスは、試行錯誤の連続でした。特に背面シェルの人間工学に基づいたカーブを再現するにあたり、3Dプリンティング技術が大きな役割を果たしました。初期のプロトタイプ作成にはスタジオ内のFDM方式3Dプリンターを使用し、冬瓜特有のリブ構造が重いタブレットやノートの荷重にどこまで耐えられるかを検証。さらに、種をモチーフにしたジッパータブやストラップ調整金具などのハードウェアパーツには高解像度の光造形(レジン)3Dプリントを採用し、量産前に有機的な微細ディテールを作り込みました。スケッチ上のユニークな構想を整え、オーク材のデスクに違和感なく馴染むプロダクトへと昇華させる、まさにカスタムプロダクトデザインの実験室のような開発過程でした。
デスクサイドにも、街歩きにも
どれほどデザインが魅力的でも、中の機材を守れなければ意味がありません。淡いグリーンのワックスコーティングキャンバス生地の内部には、16インチのラップトップが収まるクッション付きスリーブを装備。サイドにはタンブラー用の隠しポケットを配置し、底部は補強したフラット構造に仕上げているため、オフィスやカフェの床で倒れることなく椅子の横にしっかり自立します。
過度な奇抜さに走ることなく、さりげなく視線を集めるデザイン。柔らかなグラデーションプリントが、デジタル機器に囲まれた冷たい空間の空気を和らげます。デスクにバッグを置き、スケッチブックを開く――それだけで、いつもの作業空間にちょっとした創造性の風が吹き込みます。
FAQ
16インチの標準的なノートPCは収納できますか?
はい。メインコンパートメントには16インチまでのPCに対応した専用の保護スリーブを備えています。スケッチブックや充電器、細身のボトルも一緒に収まる十分な容量があります。
独特の質感はどのような素材によるものですか?
メイン素材にはワックスコーティングを施した厚手キャンバスを採用しています。冬瓜の表面にあるマットで粉を吹いたような表情を再現しつつ、軽度の雨を弾き、使い込むほどに自然な風合いが増していきます。
開発時に3Dプリント技術はどのように活用されましたか?
背負い心地を左右する背面のエルゴノミクスシェルの検証にはFDMプリンターを使用し、試作段階での種型ジッパータブやバックルなど細部の造形には高精細な光造形(レジン)プリンターを活用しました。
ワックスキャンバス生地のお手入れ方法は?
水で濡らした柔らかい布で優しく拭き取ってください。お湯や強力な洗剤を使用すると、独特のマットな風合いを生み出している保護ワックス層が溶けてしまうおそれがあるため、お手入れの際は避けてください。